キャラ紹介5回目はオリジナルの「エクスプローラーズ」最後のメンバー「ハイ・ファイヴ High Five」について語っていこうと思います。
ハイ・ファイヴはマーベルのクイックシルバーやDCのフラッシュのような高速で走るスーパーヒーローの1人ですが、彼が決定的に違うのはその出自です。今回はそれについても詳しく見ていきましょう。
ハイ・ファイヴこと「ヴィクター・ライトニング Victor Lightning」は、アレックスらが通うファミリアシティセントラルハイスクールに編入されてきた男子高校生です。その挙動にはどこか幼さが残り、知らない人にもどんどん話しかけていく明るさを持っていました。ですが何より人々の目を引いたのはその外見でした。髪の毛は黒髪と金髪に、目の色は青と緑に分かれ、身体中の肌の色はツギハギを境にバラバラだったのです。この奇妙な見た目にこそ、彼の出自が深く絡んでくるのです。
彼の「父親」である「スティーブ・ライトニング Steve Lightning」、通称「トレインマン Train Man」は、かつて光速移動のギフテッドスーパーヒーローとしてファミリアシティで活躍しており、市民からも高い支持を得ていました。しかし、次々に登場する若い世代のヒーローたちや、自分自身の能力に身体が追いつけなくなり、市民も彼のことを忘れていきました。彼は遂に狂ってしまい、自分の能力の源である心臓を完璧な肉体に移し替えた「息子」を「創」ろうと画策します。こうして世界中の優秀な肉体の、特に優秀な部分をかき集め(詳しくは書きませんがおぞましいやり方だったことでしょう)息子「ヴィクター」を生み出したのです。
しかしここまで出し抜かれてきた警察がようやく彼の尻尾をつかみ、あと一歩のところで隠れ家に踏み込んで来ます。スティーブは最期の力で自身の心臓を肉体に移し替えて事切れ、辿り着いた警察の目の前にいたのは、スティーブの死体と、血まみれの人造人間でした。ちなみにこの時操作を担当していた刑事「ジョージ・テイラー George Taylor」が所属していたのが、設立したばかりのファミリア市警ギフテッド対策課、通称「D.O.G.S.(Department Of Gifted Situations)」です。確保されたヴィクターは鑑定の結果、精神的に「生まれたばかり」であることが確認され、人道的観点から死刑にはならず、発見者であるジョージ刑事を里親に成長を見守る、という判決が出されました。
完璧な身体を持ちながら精神は子供のように幼いヴィクター。そんな彼をテイラー家(ジョージとその妻、加えて子供に2人の兄妹がいます)は苦労しながらも愛情を込めて育てていきます。ですが自分が周りと違えば、子供は純粋に疑問を持つもの。「パパ、どうして僕は他のみんなと見た目が違うの?」見た目は関係ない、と教えてきたジョージですが、間もなくして心無い噂や誹謗中傷が相次ぐようになりました。それもそのはず、彼は多くの命を犠牲にして生まれた忌み子も同然なのですから。
やがてジョージら家族は大きな決心をします。ヴィクターになぜ彼が生まれたのか、その全てを話したのです。「父親」のこと。彼が持つ力のこと、失われた命のこと、そして力は受け継がれていることを。当然最初はその事実を受け入れられず、自暴自棄になってしまうヴィクター。彼をつなぎとめたのはジョージの言葉でした。
「どう生まれたかは誰にも、どうすることも出来ない。大事なのは、生まれ持ったものでどう生きるかだ」。
「生まれ持ったものと生きる」、この考えこそが、拭えない罪とともに生まれてきたヴィクター・ライトニングという人格を、その罪と引き換えに得た力で人々を救うヒーローになるという道へ進ませるのです。自分の身体を作った命を取り戻すことは出来ない。狂っていたとはいえ、ただ1人の「父親」の人生を救うことも出来ない。ならばするべきことは何か?そんな問いが、ヴィクターを今日も走らせる原動力なのです。
いやぁ、いい話だったな〜!!(笑)
自分で考えておきながら何ですが、なかなか面白いキャラクターだと思います。
そんなハイ・ファイヴのデザインについて見ていきましょう。
デザインコンセプトとしては(本名の「ヴィクター」から察している方もいるかもしれませんが)「フランケンシュタインの怪物」が根底にあります。もし高速系ヒーローがフランケンシュタインの怪物だったら?一見対照的なふたつの要素は、同じ人造人間でもフランケンシュタインの怪物から「ツギハギ人間(脳裏に浮かんだのはナイトメア・ビフォア・クリスマスのサリーや、手塚治虫のブラックジャックの顔などでした)」というアイデアに移っていき、「速度に耐えうる完璧な肉体をめざして作られた人造人間」として結実、そこに過去設定などを肉付けしていくことで形になりました。
特徴的なツギハギの色は「白人」「黒人」「黄色人種」の3つに分かれており、分布は画像の通りです。また髪の毛と目の色も前述の通り異なり、ヴィクターを示すトレードマークになっています。そんな身体を覆うコスチュームは袖のないスーツタイプで(前述の高速系ヒーローたちに被らぬよう、色はオレンジ系統になっています。DCのキッドフラッシュは黄色なのでギリギリですが...)風から耳を守る大きなヘッドホンや目を守るゴーグル、そして上半身のベルトが目立ちます。ベルトに特に機能設定などはなく、中心のロゴマークを強調する為にデザイン的に加えたものです。X-MENのサイクロップスが付けていたベルトに似ていますね。
ところで「ハイ・ファイヴ」というヒーロー名は、英語に明るい方ならご存知かと思いますが「ハイタッチ」を意味します。何故こんな名前なのか?それは、ヴィクターが育ての親であるジョージの影響で、人とのコミュニケーションの1つとしてハイタッチを好んでいるためです。幼さの残る彼の性格にピッタリの可愛いネーミングだと思います。そんな名前をあしらったロゴですが、「Hi」「5」そして手のモチーフが隠れているんです。見つかりましたか?我ながらベストデザイン賞です(笑)。
その完璧な身体と最強の心臓を持つが故にほとんど老化することの無いヴィクターの身体は、学習速度も速く通常の1/2の期間で物事を習得していきます。「生まれて」から9歳であるヴィクターが18歳のアレックスたちと便宜上同い年なのはそのためです。が、精神面はまだまだ子供っぽさが残り、18歳らしくない元気と可愛らしさを備えています。最初こそ驚いていたエクスプローラーズのメンバーからも今は可愛がられており、同時にかけがえのない友達、仲間として元気づけられることも多々あるようです。ちなみに育ての親ジョージが刑事であることから、インパクトらヒーローが警察のバックアップを得られるようになったのもこのエクスプローラーズ結成後のことです。
振り返ってみると、ファミリアシティヒーローズの中でもハイ・ファイヴはかなり奇抜な設定、出自を持つキャラクターだな、と思います。そんな彼について思いを巡らせることもしばしばあるのですが、時に「彼は最期にみんなを守って死ぬんだろうな」と思うことがあります。
前述のような、強い気持ちでヒーローになったヴィクター。他のヒーローの気持ちを弱いとは言いませんが、ヴィクターのそれはほぼ宿命、悪い言い方をすれば「呪い」です。そして彼のことなので、然るべき時が来れば、それを、そのまま受け入れて果てるでしょう。罪とともに生まれてきた自分が、人々を守って死ねるのなら、これほど嬉しいことは無いのですから。
ヴィクターの幸運なところは、そんな、緩やかな終わりの道の途中でエクスプローラーズや他のヒーローという仲間たち、そしていつも温かく迎えてくれる家族に出会えたことでしょう。例えそれが永遠のものでないとしても、彼は果てる時にそれを思い出すんだろうなぁ、などとしみじみしてしまいます。ヴィクターとはそんな子です。いずれこういう話を描く時が来たとしても、それに関しては、僕も後悔しないだろうと思います。
さて、ハイ・ファイヴの紹介、如何だったでしょうか?実は今回は2つお知らせがあります。
私事なのですが、今日から大学の新学期が始まりまして、早くも1日1枚更新がキツくなりそうです(笑)。なので今後は2-3日、遅くて1週間に1枚になってしまうこともあるかもしれませんが、ゆるく見守っていただければ幸いです。続けることは続けるのでそこはご安心を。
そしてもう1つ。この後誰を紹介していこう、という事なのですが、この記事URLを共有しているツイートの下にアンケートを繋げますので、ぼちぼち投票していただけると嬉しいです。
では!
ハイ・ファイヴはマーベルのクイックシルバーやDCのフラッシュのような高速で走るスーパーヒーローの1人ですが、彼が決定的に違うのはその出自です。今回はそれについても詳しく見ていきましょう。
ハイ・ファイヴこと「ヴィクター・ライトニング Victor Lightning」は、アレックスらが通うファミリアシティセントラルハイスクールに編入されてきた男子高校生です。その挙動にはどこか幼さが残り、知らない人にもどんどん話しかけていく明るさを持っていました。ですが何より人々の目を引いたのはその外見でした。髪の毛は黒髪と金髪に、目の色は青と緑に分かれ、身体中の肌の色はツギハギを境にバラバラだったのです。この奇妙な見た目にこそ、彼の出自が深く絡んでくるのです。
彼の「父親」である「スティーブ・ライトニング Steve Lightning」、通称「トレインマン Train Man」は、かつて光速移動のギフテッドスーパーヒーローとしてファミリアシティで活躍しており、市民からも高い支持を得ていました。しかし、次々に登場する若い世代のヒーローたちや、自分自身の能力に身体が追いつけなくなり、市民も彼のことを忘れていきました。彼は遂に狂ってしまい、自分の能力の源である心臓を完璧な肉体に移し替えた「息子」を「創」ろうと画策します。こうして世界中の優秀な肉体の、特に優秀な部分をかき集め(詳しくは書きませんがおぞましいやり方だったことでしょう)息子「ヴィクター」を生み出したのです。
しかしここまで出し抜かれてきた警察がようやく彼の尻尾をつかみ、あと一歩のところで隠れ家に踏み込んで来ます。スティーブは最期の力で自身の心臓を肉体に移し替えて事切れ、辿り着いた警察の目の前にいたのは、スティーブの死体と、血まみれの人造人間でした。ちなみにこの時操作を担当していた刑事「ジョージ・テイラー George Taylor」が所属していたのが、設立したばかりのファミリア市警ギフテッド対策課、通称「D.O.G.S.(Department Of Gifted Situations)」です。確保されたヴィクターは鑑定の結果、精神的に「生まれたばかり」であることが確認され、人道的観点から死刑にはならず、発見者であるジョージ刑事を里親に成長を見守る、という判決が出されました。
完璧な身体を持ちながら精神は子供のように幼いヴィクター。そんな彼をテイラー家(ジョージとその妻、加えて子供に2人の兄妹がいます)は苦労しながらも愛情を込めて育てていきます。ですが自分が周りと違えば、子供は純粋に疑問を持つもの。「パパ、どうして僕は他のみんなと見た目が違うの?」見た目は関係ない、と教えてきたジョージですが、間もなくして心無い噂や誹謗中傷が相次ぐようになりました。それもそのはず、彼は多くの命を犠牲にして生まれた忌み子も同然なのですから。
やがてジョージら家族は大きな決心をします。ヴィクターになぜ彼が生まれたのか、その全てを話したのです。「父親」のこと。彼が持つ力のこと、失われた命のこと、そして力は受け継がれていることを。当然最初はその事実を受け入れられず、自暴自棄になってしまうヴィクター。彼をつなぎとめたのはジョージの言葉でした。
「どう生まれたかは誰にも、どうすることも出来ない。大事なのは、生まれ持ったものでどう生きるかだ」。
「生まれ持ったものと生きる」、この考えこそが、拭えない罪とともに生まれてきたヴィクター・ライトニングという人格を、その罪と引き換えに得た力で人々を救うヒーローになるという道へ進ませるのです。自分の身体を作った命を取り戻すことは出来ない。狂っていたとはいえ、ただ1人の「父親」の人生を救うことも出来ない。ならばするべきことは何か?そんな問いが、ヴィクターを今日も走らせる原動力なのです。
いやぁ、いい話だったな〜!!(笑)
自分で考えておきながら何ですが、なかなか面白いキャラクターだと思います。
そんなハイ・ファイヴのデザインについて見ていきましょう。
デザインコンセプトとしては(本名の「ヴィクター」から察している方もいるかもしれませんが)「フランケンシュタインの怪物」が根底にあります。もし高速系ヒーローがフランケンシュタインの怪物だったら?一見対照的なふたつの要素は、同じ人造人間でもフランケンシュタインの怪物から「ツギハギ人間(脳裏に浮かんだのはナイトメア・ビフォア・クリスマスのサリーや、手塚治虫のブラックジャックの顔などでした)」というアイデアに移っていき、「速度に耐えうる完璧な肉体をめざして作られた人造人間」として結実、そこに過去設定などを肉付けしていくことで形になりました。
特徴的なツギハギの色は「白人」「黒人」「黄色人種」の3つに分かれており、分布は画像の通りです。また髪の毛と目の色も前述の通り異なり、ヴィクターを示すトレードマークになっています。そんな身体を覆うコスチュームは袖のないスーツタイプで(前述の高速系ヒーローたちに被らぬよう、色はオレンジ系統になっています。DCのキッドフラッシュは黄色なのでギリギリですが...)風から耳を守る大きなヘッドホンや目を守るゴーグル、そして上半身のベルトが目立ちます。ベルトに特に機能設定などはなく、中心のロゴマークを強調する為にデザイン的に加えたものです。X-MENのサイクロップスが付けていたベルトに似ていますね。
ところで「ハイ・ファイヴ」というヒーロー名は、英語に明るい方ならご存知かと思いますが「ハイタッチ」を意味します。何故こんな名前なのか?それは、ヴィクターが育ての親であるジョージの影響で、人とのコミュニケーションの1つとしてハイタッチを好んでいるためです。幼さの残る彼の性格にピッタリの可愛いネーミングだと思います。そんな名前をあしらったロゴですが、「Hi」「5」そして手のモチーフが隠れているんです。見つかりましたか?我ながらベストデザイン賞です(笑)。
その完璧な身体と最強の心臓を持つが故にほとんど老化することの無いヴィクターの身体は、学習速度も速く通常の1/2の期間で物事を習得していきます。「生まれて」から9歳であるヴィクターが18歳のアレックスたちと便宜上同い年なのはそのためです。が、精神面はまだまだ子供っぽさが残り、18歳らしくない元気と可愛らしさを備えています。最初こそ驚いていたエクスプローラーズのメンバーからも今は可愛がられており、同時にかけがえのない友達、仲間として元気づけられることも多々あるようです。ちなみに育ての親ジョージが刑事であることから、インパクトらヒーローが警察のバックアップを得られるようになったのもこのエクスプローラーズ結成後のことです。
振り返ってみると、ファミリアシティヒーローズの中でもハイ・ファイヴはかなり奇抜な設定、出自を持つキャラクターだな、と思います。そんな彼について思いを巡らせることもしばしばあるのですが、時に「彼は最期にみんなを守って死ぬんだろうな」と思うことがあります。
前述のような、強い気持ちでヒーローになったヴィクター。他のヒーローの気持ちを弱いとは言いませんが、ヴィクターのそれはほぼ宿命、悪い言い方をすれば「呪い」です。そして彼のことなので、然るべき時が来れば、それを、そのまま受け入れて果てるでしょう。罪とともに生まれてきた自分が、人々を守って死ねるのなら、これほど嬉しいことは無いのですから。
ヴィクターの幸運なところは、そんな、緩やかな終わりの道の途中でエクスプローラーズや他のヒーローという仲間たち、そしていつも温かく迎えてくれる家族に出会えたことでしょう。例えそれが永遠のものでないとしても、彼は果てる時にそれを思い出すんだろうなぁ、などとしみじみしてしまいます。ヴィクターとはそんな子です。いずれこういう話を描く時が来たとしても、それに関しては、僕も後悔しないだろうと思います。
さて、ハイ・ファイヴの紹介、如何だったでしょうか?実は今回は2つお知らせがあります。
私事なのですが、今日から大学の新学期が始まりまして、早くも1日1枚更新がキツくなりそうです(笑)。なので今後は2-3日、遅くて1週間に1枚になってしまうこともあるかもしれませんが、ゆるく見守っていただければ幸いです。続けることは続けるのでそこはご安心を。
そしてもう1つ。この後誰を紹介していこう、という事なのですが、この記事URLを共有しているツイートの下にアンケートを繋げますので、ぼちぼち投票していただけると嬉しいです。
では!
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